9看護師が見た「o-2君のエピソード」
O君の特徴
O君 男性 50歳位 手首に噛み癖たこあり
「泣いていかーん」といつも、その言葉を言っていたO君は、仲間を傷つけたり、人の食べ物をとったり(盗食)しません。 しかし、自傷があり、興奮すると手首や指を噛んでいました。(血が出るまで)
O君のエピソード
こんなことがありました。
O君は手の小指をひどく噛み、血が出るまで、小指の皮膚をちぎってしまい、化膿してしまいました。
整形外科の医師からの説明で、小指の骨まで感染していて、小指を半分位切断する手術をしなければいけません。入院はO君の場合難しいので、手術したら、毎日通院してくださいという事でした。
O君は、問題を起こすことなく(暴れたりしなかった)、ちゃんと手術を受けることができました。病院のスタッフの方たちにも、かわいがられました。
毎日の通院(ガーゼ交換)も、問題なくこなせました。
入所施設の支援員さんからも、ほめてもらいました。
がしかし、日常生活の(食事や、入浴、排せつ誘導時間)忙しい社会の決まりの中で、他の利用者さんの問題行動に、職員さんの厳しい支援に、そばで見ているO君は、「泣いていかーん」を連発していました。
職員さんの厳しい食事支援の場で、他の利用者さんへの厳しい支援(乱暴な言葉の支援)を見ていたO君は、自分の食事を急いで口に詰め込み、ムセかえりました。
職員さんの厳しい入浴支援の場で、他の利用者さんへの厳しい支援(乱暴な言葉の支援)を、見ていたO君は「泣いていかーん」を、連発したのです。ついでに職員さんに叱られました。
そのあと、たまらなくなったO君は、浴槽のお湯を大量にのんでしまいました。そして、全身けいれんを起こし、亡くなりました。
残念です。あんなにやさしい心をもって生まれてきたのに!
きっと、O君は、僕は一生懸命、急いで入浴済ませるから、もっと職員さんに優しくしてほしっかたと。
筆者 看護師 桔梗