19看護師が見た「Y-2 君のエピソード」

y君の特徴

y君  50歳代  男性  体の障害はない  言葉はイーコーとしか     言うことしか出来ない  ダウン症

y君のお母さんは、高齢になってきていました。

幼少のころから児童の入所施設にいました。

大人になり、保護者の介護困難により

大人の入所施設生活することになりました。

大人の施設では、

同性介護でなければいけませんので、

当然、男性の支援員に、

利用者さんが出来ないことは

やってもらいます。

児童の入所施設では、職員さんに甘えたり出来ました。

児童の施設や、お母さんには甘えるようには、できませんでした。

男子棟や女子棟に分かれてしまう生活場面では、

大人の施設ですから、

なかなか、甘えたりできません。

着替えとか、排せつ誘導とかを除いた時間位、

女子の支援員さんに甘えたり、

一緒にお手伝いしたり、

出来るのに、

残念ながら出来ません。

y君は、何かと口をとがらせて、

イイコー」と繰り返しいいます。

お母さんが教えたのでしょうか?

イイコー」と言って、

褒めて欲しいんでしょうか?

誰でも、

意地悪されるより、

褒めてもらいたいですよね。

作業室では、作業をできる人が、

支援員さんと一緒に仕事しています。

仕事をするには、

集中力がいります。

手先の器用な人が向いています。

Y君は、集中力も試されず、

じっと座っていられないので

作業には向いていなかったのでしょう。

しかし、

ご両親としては、

障害者の中でも

優秀でいてほしかったのでしょうが、

施設では、療育班で生活していました。

お金を稼げる作業班は、

良育班よりもエリートです。

はたして、

世間にも役に立ちそうもない

療育班は、劣等生でしょうか?

世間では最近、

知的障害の人の入所施設で

殺傷事件が起きたばかりです。

知的障害の人を殺してしまった事件です。

悲しすぎます、何も悪いことをしていない、

知的障害の人を殺してしまおうなんて。

知的障害の人で自分で買い物にいける人は、

一人で買い物に行っていました。

一人で行動できない

利用者さんは、

地域の人の交流の場所に参加するとよいといい

と筆者は考えます。

もっと生涯教育として、

地域の教育センター、老人会、

小学校、中学校、高校、

そして大学との交流など、

もっともっと社会の人に

知ってもらうことが大切と、

筆者は考えます。

地域の空いている土地を活用して、

野菜作りや、

空き地の草むしりや、

療育班の人だけではなく、

高齢になった保護者さんと一緒に、

スタッフも一緒になって

活動すれば

もっといろんな人に、

すばらしい笑顔の持ち主の、

知的障害の利用者さんと交流すれば、

やさしい心が育まれるでしょう。

Y君は、いろんな人に、

イイコー」と言って、

いい気分にさせてあげるから、

僕にも「イイコー」と

言ってほしいと思っているでしょう。

筆者 看護師  桔梗