14看護師が見た「a-1さんのエピソード」
Aさんの特徴
Aさん 50歳以上 かたことの言葉は言える 身体的特徴はスマートには歩けない
甘えん坊です。
いつも「お母ちゃん」といっしょがいいです。
おかあちゃんと作業所に行くのは嫌だけど、長い期間作業所を利用していました。「お母ちゃん」も高齢になり、通所利用から、入所の施設を探していました。
入所の施設では、もっと重い知的障害者の利用者もいて、なかなか甘えん坊のAさんのことが、あと回しになってしまいます。
そうすると、Aさんは「お母ちゃんに言うよ!」といって、涙は見せませんが、泣いていました。
甘えん坊のAさんは、動きがゆっくりです。
ほかの利用者さんに、突き飛ばされたり噛まれたりと、被害を未然に察知することが出来ず、いつも被害者でした。
がしかし、とうとうAさんも反撃しました。
人をつねっていました。自分より弱いほかの利用者さんにです。
でも、つねると、職員さんがAさんの方を向いて、Aさんに向き合って叱ってくれるのです。
だれでも、叱られるよりほめられたいです。
でも、Aさんはつねるのをやめません。叱られるときは、職員さんはAさんに向き合ってくれます。
「Aさんつねっちゃだめよー」と職員さんを独り占めできました。
「ストレスたまっちゃうよねー」いって、通販カタログで、かわいい靴下を見せてくれたり、かわいいTシャツの柄を見せてくれたりしました。
絵本を見ているより、Aさんは嬉しそうに、満面の笑顔で
「ごめんチャイ」と、つねったことを謝ることが出来ました。
もっと支援を豊かなものにしたいものです。
もっと職員数を増やし、個別支援計画通りのことが、実施されるといいです。
そうすればAさんの、つねるという行為は激減するでしょう。
Aさんの気持ちは、
もっとこっち向いて、わたしのことに関心向けてということでしょう。
筆者 看護師 桔梗