10看護師が見た「Y-1君のエピソード」

Y君の特徴

Y君  男性 50歳以上 側彎 歩行は遅い 服を着替えない

Y君は服を着替えるのがきらい。きっと大好きなお母さんが、困らないように洗濯物を出さないようにしていたとかんがえます。

身体の側彎がひどく生まれたY君を、お風呂に入れるのがお母さんにとって、大変だったかは、入所の時に、Y君のお母さんが生存されていたか、事情を語ってくださったかは、確認が取れませんし、筆者の記憶に頼れないの残念です。

大人の入所施設では、決まった時間に掃除(環境整備)、食事支援、散歩、作業、入浴支援などを行っています。

Y君は、ごみが捨てられませんでした。毎日の積み重ねの情報が詰まっていたのでしょう。家族で暮らしていたO君は、家族が出すゴミにさえ、愛着を感じていて、心のさみしさを埋めるかのような、ためるという行動(職員にとっては問題行動)をとっていたのでしょう。

ごみを捨てられないということ、着替えや入浴を嫌がるY君の支援に、困った支援員は、厳しい言葉かけや、無理やり着替えさせたりの毎日だったので、夜間は不眠になり、しかも側彎がひどく、便秘がひどいために、マヒ性イレウス腸閉塞)で、入院になりました。

マヒ性イレウスも(腸閉塞)すぐに改善して退院しました。がしかし、入所生活の生活スタイルは変更がないため、再発をくりかえしていました。

とうとうマヒ性イレウスが改善しずらく、ストマ(腸瘻)増設を進められました。しかし家族も支援をする人も、服も着替えられない、ごみも捨てられない人に、ストマをつけたら、不潔行為をするのではないか!汚いことのなってしまうのではないかと、不安になりました。

家族は「不潔行為をしていたら、入所施設においてもらえなくなる」思い過ごし、支援員と看護師は、施設で管理が出来ないと、思い過していました。

マヒ性イレウス(腸閉塞)の経過が悪く、とうとう、Y君は亡くなりました。

きっとY君は、「僕はちゃんとできると思うよ。ちゃんと出来ないことは、お母さんのように、優しくおしえてよ。お願いします」とおもっていたでしょう。

もっと筆者もよく、Y君の話を聞かせてもらえる、環境づくりをすればよかったと、思います。

筆者 看護師 桔梗