4看護師が見た「T-1君のエピソード」

T君の特徴

T君  男性 40歳代 背は150センチから160センチで、妹のことでイライラしたりすることが、多いひとでした。

ご両親は、いつ彼らを、児童の施設にあづかる(入所してもらう)ことになったのかは、今の筆者の記憶にはないのが、残念です。

T君のエピソード

彼はカウンセリングを受けるのが好きでした。精神科の嘱託医と別室で話を聴いてもらうのが、好きでした。

カウンセラーの先生とは、これも別室で、絵を描いたりしたり(絵画療法)、計算(足し算を教えてもらったり)を教えてもらったり、それは、とても楽しかったし、もっと時間をかけても、あきないことだったのでしょう。知能指数も生まれつきの知的発達障害の児童よりも良かったのでしょう。

もっとお手伝いししたかったのでしょう。(力持ちでしたし、洗濯物をリネン庫にたたんでしまう事も、早くマスターしていました)

言葉の障害はありませんでした。

T君の気持ちは、もっとお手伝いできるよ!もっと、外食しても、お買い物をひとりでしても、問題をおこさない僕と、男の職員さんも、女の職員さんも、気楽に用事をたのんでね!もっと僕を頼りにしてほしいと思っていたでしょう。

と、筆者は考えます。看護師さんのところにも、たくさんきてくれました。もっと看護師さんの手伝いをしたっかったのだろうと、筆者は、思います。

もっと彼にやさしくしてあげればよかっただけなんです。もっとお手伝いしてもらえば良かったと、筆者は感がえます。

筆者  看護師 桔梗

5看護師が見た「T-2さんのエピソード」

Tさんの特徴

Tさんは、女性で児童の公的な知的障害児入所施設から、年齢が18歳を超えたため、大人の知的障害者入所施設に移ってきました。

言葉は奇声が多く、単語を発声しますが、職員や、他の施設を利用している仲間の、耳障りな奇声をあげてしまっていました。

大人の入所の施設の前の、公的な児童の入所の施設では、職員が竹刀で脅したり、たたいたりする様が横行していたそうです。虐待です。しかし、その様な支援がいいわけありませんが、誰も他の職員は、暴力で支援(当時は指導員といっていました。)をしてはいけないことさえ、止めることはできませんでした。

Tさんのエピソード

そんな中、Tさんは、暴力を見て、驚いて、奇声をあげ、職員の感情を逆なでることになり、結果、暴力的に職員かかわられました。

その結果、職員につかみかかったり、他の仲間にも、パニックをおこしたTさんは,嚙みつきまに魔に変身してしまいました。

本当に、児童の頃に、虐待を受けていると、解決不能と思われますが、感情的にならなくても、暴力的にならなくても、仲間に噛みつかなくてもいいという事を、毎日の職員の、やさしく接するこころと、少しの安定剤だけで、彼女はのりこえることができました。

本当に良かったです。昔の施設では出来なかった、職員が利用者さんをほめてあげるという、良い支援に、大人になって、出会えて、Tさんは、もう、きっとしあわせな気持ちで、毎日を過ごしているでしょう。

筆者は、Tさんのような事例を、発表しつづけたいと、思っています。

筆者 看護師 桔梗

6看護師が見た「Tー2君の気持ち」

T君の特徴

男性  40才代  T君  腸瘻(ストマ)のある利用者さん  癲癇てんかん)もあります。

T君はたくさんおしゃべりするのが、だいすきです。

ご両親が、T君が子供のころ、亡くなったのか子育てが出来ないような状態があったのか、筆者の記憶になく、ここに記述することが出来なくて、本当に残念です。

おばあちゃんに育てられていました。言葉もたくさん言える、知的障害者です。

特に身体的な、特徴は、なかったと思います。靴をちゃんと履けてない時が多く、

食事中のムセも、頻回になって、とうとう誤嚥性肺炎になりました。

伝えたいことが、うまく健康な人のように、伝えられず、「僕の話をきいて」おばあちゃんのように、やさしくして!」と、彼はおもっていたとおもいます。

誤嚥性肺炎になるのも、食事中に、他の入所のなかまが、問題をおこしていても、起こしていなくても、強く叱られ、叩かれたりする暴力的支援を見て、T君は焦って食事をして、頻繁にムセていました。

繰り返される誤嚥性肺炎と、てんかんのせいで、入退院を繰り返している中で、大腸の壊死が見つかり、手術をうけました。一命を取り戻しましたが、腸瘻ストマ)を作りました。

無事退院してからも、ストマをさわって、問題をおこすことは、ありませんでした。

入所の施設の職員さんは、「どうせ、ストマいじりをやって、問題を起こすんだ」と思っていたでしょう。

T君の気持ちは、「どうぞ、職員さん、僕は問題をおこしませんよ。だから、僕とたくさんお話ししてね。僕といっぱい遊ぼうよ。」でしょう。

知的障害の入所の施設で、今も元気に暮らしています。

筆者  看護師  桔梗

7看護師が見た「T-3さんのエピソード」

Tさんの特徴

Tさん、40歳位 女性 身体障害はない、服の色々なところを噛みつづける、

言葉はなく、奇声も上げない人です。

いつもプレイルームで日中のほとんどを、すごしているTさんは、奇声を上げる仲間、職員さんの厳しい言葉かけを、常にきいていました。

他の仲間が、長い期間、仲間や職員に、噛みつく行為が続いていたのが、数か月ないしは、数年続いた後、その仲間の噛み癖は、改善されました。

しかしTさんは、やかましい仲間の肩や、腕を強くかみだしました。しかし、その現場を発見されたことはなく、噛み癖のあった、仲間が再び仲間をかんでいると、ほとんどの職員は、思っていました。

しかし、よく観察している(噛み癖のある仲間をよく思ってくれてている)職員さんがいいました。

「この噛みあとは、噛み癖ののあった仲間の、噛みあとではないよね」

他の仲間が噛みだしたのではないかと、報告に来ました。

よくよく、様子を見ることを続けていたら、Tさんが仲間をかんでいたのです。

もっと良く様子を見てみると、奇声をあげる、ざわざわしている原因となる仲間を噛んでいることがわかりました。

Tさんの気持ちは、奇声を上げる仲間や、迷惑行為をしている仲間を叱ってください。いつも冷たく、突き放すように、しかっていたではないですか?

私もしかりかたがわからないから、噛みついてしまいました。

本当はいけないこととしりながら、かんでしまいました。職員さんの優しい声掛けで、もう噛まないでよくなりました。

筆者 看護師  桔梗

8看護師が見た「F-1さんのエピソード」

Fさんの特徴

Fさん 女性 聴力障害あり 手話ジェスチャー交じりの表現をします 要求が通らないと大きな奇声をあげる 突き飛ばす等のこうどうがある。

Fさんのエピソード

お茶の時間が、大人の施設ではあり、彼女はもっとお茶がほしい時が多く、何度もおかわりしたがり、手話でクイクイっとアピールします。

1回に飲めるのは、約200mlのコップに1杯だけです。のどが渇いていようが、おかわりはありません。

しかし、聴覚障害で言葉はありませんが、知能指数は、他の知的障害者よりも、高ったのでしょう。色々なことに気が付き、アピール行為を続け、多動症になっていて、のどが渇いていたのでしょう。

また、クイクイジェスチャーをします。

要求が通らないとわかると、女性の職員に、体当たりをしたり、仲間に奇声を上げたりと、迷惑行為の連続でした。

女性ばかりの活動から、男女混合の活動に移ると、同じジェスチャーによる、クイクイというアピールにも、男子のイケメン職員に注意をされると、すぐに問題行動をやめることができました。

Fさんの気持ちはどうだったでしょう。

きっと、「イケメン先生のいうことなら、しかたないなあ、支援をうけいれてやろう。私もイケメン先生のことすきでーす。」って思っていたと、筆者は考えます。

男子の支援員は好かれていたんでしょう。

筆者 看護師 桔梗

9看護師が見た「o-2君のエピソード」

O君の特徴

O君 男性 50歳位 手首に噛み癖たこあり

泣いていかーん」といつも、その言葉を言っていたO君は、仲間を傷つけたり、人の食べ物をとったり(盗食)しません。 しかし、自傷があり、興奮すると手首や指を噛んでいました。(血が出るまで)

O君のエピソード

こんなことがありました。

O君は手の小指をひどく噛み、血が出るまで、小指の皮膚をちぎってしまい、化膿してしまいました。

整形外科の医師からの説明で、小指の骨まで感染していて、小指を半分位切断する手術をしなければいけません。入院はO君の場合難しいので、手術したら、毎日通院してくださいという事でした。

O君は、問題を起こすことなく(暴れたりしなかった)、ちゃんと手術を受けることができました。病院のスタッフの方たちにも、かわいがられました。

毎日の通院(ガーゼ交換)も、問題なくこなせました。

入所施設の支援員さんからも、ほめてもらいました。

がしかし、日常生活の(食事や、入浴、排せつ誘導時間)忙しい社会の決まりの中で、他の利用者さんの問題行動に、職員さんの厳しい支援に、そばで見ているO君は、「泣いていかーん」を連発していました。

職員さんの厳しい食事支援の場で、他の利用者さんへの厳しい支援(乱暴な言葉の支援)を見ていたO君は、自分の食事を急いで口に詰め込み、ムセかえりました。

職員さんの厳しい入浴支援の場で、他の利用者さんへの厳しい支援(乱暴な言葉の支援)を、見ていたO君は「泣いていかーん」を、連発したのです。ついでに職員さんに叱られました。

そのあと、たまらなくなったO君は、浴槽のお湯を大量にのんでしまいました。そして、全身けいれんを起こし、亡くなりました。

残念です。あんなにやさしい心をもって生まれてきたのに!

きっと、O君は、僕は一生懸命、急いで入浴済ませるから、もっと職員さんに優しくしてほしっかたと。

筆者 看護師 桔梗

10看護師が見た「Y-1君のエピソード」

Y君の特徴

Y君  男性 50歳以上 側彎 歩行は遅い 服を着替えない

Y君は服を着替えるのがきらい。きっと大好きなお母さんが、困らないように洗濯物を出さないようにしていたとかんがえます。

身体の側彎がひどく生まれたY君を、お風呂に入れるのがお母さんにとって、大変だったかは、入所の時に、Y君のお母さんが生存されていたか、事情を語ってくださったかは、確認が取れませんし、筆者の記憶に頼れないの残念です。

大人の入所施設では、決まった時間に掃除(環境整備)、食事支援、散歩、作業、入浴支援などを行っています。

Y君は、ごみが捨てられませんでした。毎日の積み重ねの情報が詰まっていたのでしょう。家族で暮らしていたO君は、家族が出すゴミにさえ、愛着を感じていて、心のさみしさを埋めるかのような、ためるという行動(職員にとっては問題行動)をとっていたのでしょう。

ごみを捨てられないということ、着替えや入浴を嫌がるY君の支援に、困った支援員は、厳しい言葉かけや、無理やり着替えさせたりの毎日だったので、夜間は不眠になり、しかも側彎がひどく、便秘がひどいために、マヒ性イレウス腸閉塞)で、入院になりました。

マヒ性イレウスも(腸閉塞)すぐに改善して退院しました。がしかし、入所生活の生活スタイルは変更がないため、再発をくりかえしていました。

とうとうマヒ性イレウスが改善しずらく、ストマ(腸瘻)増設を進められました。しかし家族も支援をする人も、服も着替えられない、ごみも捨てられない人に、ストマをつけたら、不潔行為をするのではないか!汚いことのなってしまうのではないかと、不安になりました。

家族は「不潔行為をしていたら、入所施設においてもらえなくなる」思い過ごし、支援員と看護師は、施設で管理が出来ないと、思い過していました。

マヒ性イレウス(腸閉塞)の経過が悪く、とうとう、Y君は亡くなりました。

きっとY君は、「僕はちゃんとできると思うよ。ちゃんと出来ないことは、お母さんのように、優しくおしえてよ。お願いします」とおもっていたでしょう。

もっと筆者もよく、Y君の話を聞かせてもらえる、環境づくりをすればよかったと、思います。

筆者 看護師 桔梗