22看護師が見た「t-s君のエピソード」
t-s君の特徴
60歳以上 男性 言葉を理解できる
言葉でのコミュニケーションができる
一人で買い物(簡単なもの)に行くことが出来る。
一人でおやつを選んで買うことが出来る。
歌を歌うことが出来る。
t-s君のエピソード
t-s君は、入所の施設の生活を
無難にこなせていました。
自分の部屋を大事にしていました。
しかも、
物を大切にする心があり
衣類がほころびたら、
「修理できないか」と
スタッフに交渉したりしました。
施設の中でバザーをします。
地域の人に働きかけ、
いらない物を寄付してもらいます。
それを、
障害者のお母さんやお父さん、
または保護者になっている兄弟の人、
里親の人で、値段をつけ、分類します。
バザーの日はお祭りです。
食べ物も売ります。
みたらし団子や、
焼きそば、クレープ、フランクフルト、
と、簡単なものですが、
地域の人や、
遠くからでも来てくださった人と、
利用者さんも交流し、
自分のお金で買い物をします。
売り場のお手伝いができる利用者さんもいます。
小さい頃からある、
みたらしを食べながら、
バザーに来てくださったお客さんと、
交流をします。
t-s君は、バザーが好きです。
t-s君は衣類も買います。
売り場のお手伝いも出来ます。
みんな嬉しそうです。
ボランティアの人達も来ます。
t-s君は、音楽のボランティアの人と作った、
合唱のメンバーです。
t-s君は音楽が好きです。
歌声も素晴らしいです。
施設の中で、いつも口ずさんでいました。
本番の、バザーの日は、発表会です。
歌声はひびき、みな明るい顔です。
皆が輝いています。
歌を歌っている時は、
知的障害の事は関係ないみたいです。
t-s君は、すばらしい声でうたっていました。
年を重ねていく障害者も、
年に一度の発表会の為に、
目標をもって生活できるのは、
とても素晴らしいことです。
歌声は、
障害を乗り越えたところにあるような気がします。
t-s君は、
毎月バザーをやってほしいと思っているでしょう。
毎月バザーで歌いたいと思っているでしょう。
きっと、
t-s君は、歌でいろんなところへ、
行きたいと思っているでしょう。
歌は心を豊かにしますから。
今も彼の歌声が聞こえるようです。
筆者 桔梗